AIを用いたクロストリジウム・ディフィシル感染予防の取り組み
カテゴリ:医療現場の業務効率化
公開日:2025年10月24日
タイトル:Guiding Clostridioides difficile Infection Prevention Efforts in a Hospital Setting With AI
雑誌名:JAMA Netw Open. 2025 Jun 02; 8(6): e2515213.
概 要:
この研究は、AIを活用した感染予防バンドルが病院におけるクロストリジウム・ディフィシル感染(CDI)の発生率に与える影響を評価することを目的としています。研究は、AI実装前(2021年9月1日から2022年8月31日)と実装後(2023年1月1日から2023年12月31日)の成人入院患者を対象に行われました。AIモデルは、手指衛生の強化や抗菌薬管理を通じて病原体への曝露を減少させるために臨床業務に統合されました。
方 法:
この研究は、前向きの単一施設品質改善研究であり、成人入院患者のデータを分析しました。AI実装前後の入院患者数はそれぞれ39,046人と40,515人で、データ分析は2024年1月から8月に行われました。主要評価指標はCDI発生率であり、二次評価指標には抗菌薬使用量とバンドル実施の定性的評価が含まれました。
結 果:
AI実装前後のCDI発生率は、前期が10,000患者日あたり5.76、後期が5.65であり、統計的に有意な減少は見られませんでした(P=0.85)。一方、抗菌薬使用量は、特にAIによって警告された高リスク患者において、ピペラシリン・タゾバクタムで16.8%の相対的減少が見られました。定性的評価では、医療スタッフのAIガイドワークフローに対する経験は様々で、手指衛生プロトコルの遵守は低かったものの、薬剤師は警告に積極的に対応しました。
結 論:
AIを用いた感染予防バンドルの実施は、CDI発生率の有意な減少には寄与しなかったものの、CDI関連の抗菌薬使用の減少には関連していました。今後の応用においては、インフラ、スタッフの知識、業務フローの統合といった実施の障壁を解決する必要があります。