MEDICINE & AI

せん妄リスク層別化のための機械学習マルチモーダルモデル

カテゴリ:医療現場の業務効率化

公開日:2025年10月24日

タイトル:Machine Learning Multimodal Model for Delirium Risk Stratification 雑誌名:JAMA Netw Open. 2025 May 01; 8(5): e258874. 概 要: 本研究は、病院でのせん妄リスクを自動的に特定する機械学習(ML)モデルの開発、運用、検証を行い、臨床現場での実用性を評価しました。60歳以上の患者を対象に、電子カルテデータと臨床ノートを融合したモデルを用いて、非集中治療室におけるせん妄のリスク層別化を行いました。モデルの有効性は、2023年3月から2024年3月の間に実施され、せん妄の検出率や薬剤投与量の変化が評価されました。 方 法: この品質改善研究では、2016年1月から2020年1月までにマウントサイナイ病院に入院した60歳以上の患者データを使用し、せん妄のリスクを層別化するMLモデルを開発しました。モデルは、Confusion Assessment Methodを診断基準として使用し、2024年に臨床データを用いて後ろ向きに分析されました。主要評価指標は、受信者動作特性曲線下面積(AUC)やせん妄検出率、入院期間、薬剤投与量です。 結 果: 合計32,284件の入院データが分析され、モデルのAUCは0.94でした。せん妄検出率は、ML導入前の4.42%から導入後の17.17%に増加し(P < .001)、ベンゾジアゼピンやオランザピンの投与量は有意に減少しました。具体的には、ベンゾジアゼピンの投与量は0.93mgから1.60mg、オランザピンは1.09mgから2.50mgに減少しました(いずれもP < .001)。 結 論: この研究は、臨床現場でのせん妄リスク層別化を自動化する新しいマルチモーダルMLモデルの実現可能性を示しました。モデルは臨床実践において良好な性能を示し、せん妄の特定とケアの向上に資する可能性があります。