IL-11シグナル伝達の抑制が哺乳類の健康寿命と寿命を延ばす
カテゴリ:高齢者医療・介護
公開日:2026年2月19日
タイトル:Inhibition of IL-11 signalling extends mammalian healthspan and lifespan
雑誌名:Nature. 2024 Aug; 632(8023): 157-165.
概 要:
本研究では、IL-11という炎症性サイトカインが加齢に伴う疾患や寿命に与える影響を調査しました。マウスの加齢に伴い、IL-11は細胞タイプや組織で上昇し、ERK-AMPK-mTORC1経路を介して加齢に関連する病理を調節します。Il11またはIl11ra1の遺伝子を欠失させることで、老化に伴う代謝の低下や多病、虚弱から保護されることが示されました。75週齢のマウスに抗IL-11を25週間投与した結果、代謝や筋機能が改善され、加齢バイオマーカーや虚弱が減少しました。さらに、Il11の遺伝子欠失はマウスの寿命を平均24.9%延長し、抗IL-11治療はオスで22.5%、メスで25%の中央値寿命の延長をもたらしました。これらの結果は、IL-11が哺乳類の健康寿命と寿命において重要な役割を果たすことを示しています。
方 法:
本研究は、マウスを用いた実験で、IL-11の遺伝子欠失や抗IL-11の投与を行い、加齢に伴う病理や寿命への影響を評価しました。対象は75週齢のマウスで、抗IL-11は25週間投与されました。主要評価指標は、代謝、筋機能、加齢バイオマーカー、寿命の延長です。
結 果:
抗IL-11治療により、75週齢のマウスの代謝と筋機能が改善され、加齢バイオマーカーや虚弱が減少しました。Il11の遺伝子欠失は、マウスの寿命を平均24.9%延長し、抗IL-11治療はオスで22.5%、メスで25%の中央値寿命の延長を示しました。
結 論:
IL-11の抑制が哺乳類の健康寿命と寿命を延ばすことが示され、抗IL-11療法は加齢に伴う病理に対する治療の可能性を持つことが示唆されます。現在、抗IL-11療法は線維性肺疾患に対する臨床試験が進行中であり、高齢者における加齢病理への影響を評価する機会が期待されます。