機械学習を用いた機能性腸疾患における患者の生活体験の深い表現
カテゴリ:公衆衛生・予防医療
公開日:2026年2月19日
タイトル:Deep phenotyping of patient lived experience in functional bowel disorders using machine learning
雑誌名:Sci Rep. 2025 Oct 09; 15(1): 35349.
概 要:
本研究は、機能性腸疾患(FBD)の患者の生活体験を深く理解するために、機械学習とベイズ生成グラフフレームワークを用いています。FBDは診断基準が不明確で、患者の体験は標準的な診断カテゴリーでは反映されないことが多いです。1175人の患者を対象に、59の要因(人口統計、診断、症状、生活への影響、メンタルヘルス、治療効果など)を分析し、患者の健康評価やメンタルヘルス、雇用状況が健康や生活の質に与える影響を明らかにしました。診断分類よりも、病気の生活への影響を重視する必要があることが示唆されました。
方 法:
本研究は1175人の患者を対象としたコホート研究です。機械学習モデルとベイズ確率的ブロックモデルを使用し、59の要因を分析しました。主要評価指標には、患者の健康評価(R² 0.35)、不安・抑うつの重症度(R² 0.54)、雇用状況(バランス精度96%)、医療受診頻度(R² 0.71)、患者報告の治療効果(R²範囲0.08-0.41)が含まれます。
結 果:
機械学習モデルは、患者の健康評価や生活の質に対する最も重要な予測因子が、診断群や症状の重症度ではなく、生活への影響、メンタルウェルビーイング、雇用状況、年齢であることを示しました。また、ある治療に反応した患者は他の治療にも反応する可能性が高く、全ての治療に対して反応しない患者も多く存在しました。
結 論:
FBDの患者評価は診断分類よりも、病気の生活への影響やメンタルヘルス、雇用状況を重視すべきであることが示されました。治療反応の層別化は臨床実践や試験デザインに重要な影響を与えるため、さらなる研究が必要です。