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SRT2104はSirtuin 1を介したmTORC1シグナル伝達を通じて樹状突起の成長とスパイン形成を促進する

カテゴリ:高齢者医療・介護

公開日:2025年10月24日

タイトル:SRT2104 enhances dendritic outgrowth and spine formation through Sirtuin 1-mediated mTORC1 signaling 雑誌名:Sci Rep. 2025 Jul 01; 15(1): 21283. 概 要: この研究は、うつ病の主要な病理メカニズムである神経可塑性の障害に着目し、Sirtuin 1がmTORC1シグナル伝達を介して樹状突起の成長とスパイン形成を調節するかどうかを調査しました。ラットの一次皮質細胞を用い、デキサメタゾン誘導の神経毒性条件下で、選択的Sirtuin 1活性化剤SRT2104を用いて実験を行いました。結果として、SRT2104はSirtuin 1の発現を有意に増加させ、mTORC1シグナル伝達を活性化し、樹状突起の成長とスパイン密度を増加させることが示されました。これにより、うつ病治療の新たな治療法の可能性が示唆されました。 方 法: この研究は、ラットの一次皮質細胞を用いた実験で、デキサメタゾン(500μM)存在下でSRT2104(0.1、1、10μM)を投与しました。Western blottingを用いてSirtuin 1、mTORC1シグナル伝達成分、シナプスマーカー(PSD-95およびGluA1)のタンパク質レベルを分析し、免疫蛍光法で樹状突起の成長とスパイン密度を評価しました。主要評価指標は、ERK1/2およびmTORC1のリン酸化レベルです。 結 果: SRT2104はSirtuin 1の発現を有意に増加させ、ERK1/2のリン酸化を促進しました。また、mTORC1のリン酸化レベルや4E-BP1、p70S6Kのリン酸化も増加し、樹状突起の成長とスパイン密度が増加しました。一方、Sirtuin 1のノックダウンはERK1/2およびmTORC1のリン酸化を著しく減少させ、樹状突起の複雑さとスパイン形成を低下させました。 結 論: Sirtuin 1はmTORC1シグナル伝達を活性化することで神経可塑性を促進することが示され、うつ病治療における新たな治療法の可能性が示唆されました。