MEDICINE & AI

AIによるマルチモーダルデータを活用した認知症の鑑別診断

カテゴリ:高齢者医療・介護

公開日:2025年10月24日

タイトル:AI-based differential diagnosis of dementia etiologies on multimodal data 雑誌名:Nat Med. 2024 Oct;30(10):2977-2989. 概 要: この研究は、認知症の病因を特定するためのAIモデルを開発し、早期かつ個別化された治療戦略の策定を支援することを目的としています。認知症の診断は、症状の重複により困難であり、特に多様な病因が絡み合う場合には複雑です。本研究では、51,269人の参加者から得られた多様なデータ(人口統計、医療歴、神経心理学的評価、機能評価、マルチモーダル神経画像など)を活用し、10種類の認知症病因を特定するAIモデルを提案しました。このモデルは、診断を類似の管理戦略と一致させ、不完全なデータでも堅牢な予測を可能にします。AIモデルは、正常認知、軽度認知障害、認知症の分類でAUROC 0.94、認知症病因の鑑別でAUROC 0.96を達成しました。さらに、AIモデルを用いた神経科医の評価は、AIなしの評価に比べて26.25%向上しました。このフレームワークは、臨床現場や薬物試験での認知症スクリーニングツールとしての統合が期待されます。 方 法: この研究は、51,269人の参加者を対象にしたコホート研究です。参加者は9つの独立した地理的に多様なデータセットから集められました。AIモデルは、人口統計、医療歴、神経心理学的評価、機能評価、マルチモーダル神経画像を含む多様なデータを使用して訓練されました。主要評価指標は、正常認知、軽度認知障害、認知症の分類でのAUROC 0.94、認知症病因の鑑別でのAUROC 0.96です。 結 果: AIモデルは、正常認知、軽度認知障害、認知症の分類でAUROC 0.94、認知症病因の鑑別でAUROC 0.96を達成しました。混合認知症のケースでは、2つの共存する病理に対して平均AUROC 0.78を示しました。ランダムに選ばれた100件のケースでは、AIモデルを用いた神経科医の評価は、AIなしの評価に比べて26.25%向上しました。 結 論: AIモデルは、認知症の病因を高精度で鑑別し、神経科医の診断精度を向上させる可能性が示されました。このフレームワークは、臨床現場での認知症スクリーニングツールとしての統合が期待され、患者ケアの改善に寄与する可能性があります。