AIによる心電図からの全体的縦断的ひずみの推定と心エコー計測との比較
カテゴリ:災害・救急医療
公開日:2026年2月19日
タイトル:AI derived ECG global longitudinal strain compared to echocardiographic measurements
雑誌名:Sci Rep. 2024 Nov 02; 14(1): 26458.
概 要:
この研究では、心不全患者の左心室(LV)全体的縦断的ひずみ(LVGLS)を推定するための人工知能(AI)生成の心電図スコア(ECG-GLSスコア)の有用性を評価しました。深層学習アルゴリズムを用いて心エコーから得られるLVGLSを推定し、急性心不全レジストリから1186人のデータを用いてECG-GLSスコアの性能を検証しました。ECG-GLSスコアは、LVGLSが12%以下の患者を識別する能力があり、長期的な予後のリスク層別化においても有効であることが示されました。
方 法:
この研究は、急性心不全レジストリから1186人の患者を対象にしたコホート研究です。深層学習アルゴリズムを用いて心電図からLVGLSを推定するECG-GLSスコアを開発し、感度、特異度、受信者動作特性曲線(AUROC)を用いてその性能を評価しました。主要評価指標は、LVGLSが12%以下の患者の識別能力(AUROC 0.82)と、左心室駆出率(LVEF)が40%未満の患者の識別能力(AUROC 0.85)です。
結 果:
ECG-GLSスコアは、LVGLSが12%以下の患者を識別する際にAUROC 0.82、感度85%、特異度59%を示しました。また、LVEFが40%未満の患者の識別においてもAUROC 0.85を達成しました。低いECG-GLSスコアは、全死因死亡や心不全による入院の合成アウトカムのリスク因子として有意であり、5年間の予後において重要な相関が認められました。
結 論:
ECG-GLSスコアは、LVGLSとの有意な相関を示し、急性心不全後の長期予後のリスク層別化において効果的であり、LVGLSの実用的な代替手段となる可能性があります。