イングランドにおける院内感染によるSARS-CoV-2の負担と動態
カテゴリ:公衆衛生・予防医療
公開日:2026年2月19日
タイトル:The burden and dynamics of hospital-acquired SARS-CoV-2 in England
雑誌名:Nature. 2023 Nov; 623(7985): 132-138.
概 要:
本研究は、イングランドの急性病院におけるSARS-CoV-2の院内感染の伝播を定量化し、感染経路や伝播リスクを高める要因を評価することを目的としています。2020年6月から2021年3月の間に、約95,000人から167,000人の入院患者が病院内でSARS-CoV-2に感染したと推定され、これはこの期間の入院患者の1%から2%に相当します。院内で感染した患者が他の患者への主な感染源であることが示され、病室の数やベッドあたりの加熱容量が少ない病院では感染が増加する傾向がありました。院内感染を減少させることで、地域社会の感染抑制におけるロックダウン措置の効率を大幅に向上させる可能性があることも示されています。
方 法:
本研究は、イングランドの急性病院からのデータを使用した観察研究です。院内感染の伝播経路やリスク要因を評価するために、時間系列データの分析を行い、感染者の動態を定量化しました。主要評価指標は、院内でのSARS-CoV-2感染者数の推定と、感染リスクに関連する病院の特性です。
結 果:
2020年6月から2021年3月の間に、95,000人から167,000人の入院患者が病院内でSARS-CoV-2に感染したと推定され、院内感染者が他の患者への主な感染源であることが確認されました。病室の数が少なく、ベッドあたりの加熱容量が低い病院では、院内感染のリスクが高まることが示されました。また、院内感染を減少させることで、地域社会の感染抑制におけるロックダウンの効果が向上する可能性があることが明らかになりました。
結 論:
本研究は、院内感染によるSARS-CoV-2の伝播の規模を明らかにし、病院の感染対策のターゲティングに直接的な影響を与えることを示しました。また、将来の高リスク病原体の伝播を制限するために、病院の設計を改善する必要性を強調しています。