主観的認知低下の予測:動的ベイジアンネットワークを用いたAIアプローチ
カテゴリ:高齢者医療・介護
公開日:2026年2月19日
タイトル:Forecasting Subjective Cognitive Decline: AI Approach Using Dynamic Bayesian Networks
雑誌名:J Med Internet Res. 2025 May 06; 27: e65028.
概 要:
本研究は、主観的認知低下(SCD)を予測するためのAIモデルを開発し、個別化されたリスク評価と介入計画を支援することを目的としています。過去のリスク要因の発展パターンを用いてSCDを予測するツールを作成し、登録ベースの認知症診断や認知症関連の薬剤とSCDの関連性を検証しました。研究には、ヘルシンキ健康研究の5回の調査データ(N=8960)が使用され、動的ベイジアンネットワークを構築しました。
方 法:
この研究は、ヘルシンキ健康研究から得られた8960人の参加者を対象にしたコホート研究です。動的ベイジアンネットワークを用いて、果物や野菜の摂取、喫煙、アルコール消費、身体活動、BMI、不眠症状などのリスク要因がSCDに与える影響を評価しました。モデルの性能は5分割交差検証を用いて評価され、受信者動作特性曲線の下の面積(AUC)が計算されました。
結 果:
5865人の参加者のうち、31%が記憶の低下を、47.4%が学習能力の低下を、30.7%が集中力の低下を報告しました。身体活動はSCDの最も強力な予測因子であり、身体的に活動的な参加者は非活動的な参加者に比べてSCDのオッズ比が0.76でした。SCDは認知症の診断に対して予測的価値があり、記憶の低下を報告した個人は、2017年には認知症のリスクが3倍、2022年には5倍に増加しました。AUCは2017年で0.78、2022年で0.75でした。
結 論:
新たに開発されたリスクスコアツールは、個人が自らのリスクプロファイルを確認し、介入のターゲットを探索するのに役立ちます。AI駆動の予測モデルを用いることで、医療専門家が個別化された予防戦略を提供する支援が可能です。SCDの早期発見は、認知症リスクを低減するための介入戦略の改善に寄与する可能性があります。今後の研究では、AIベースのリスク予測モデルを臨床業務に統合し、その効果を評価することが求められます。