MEDICINE & AI

臨床データとMRIからの視覚スコアリングシステム(MTA、ERICA、GCA)に基づく認知症重症度のAI評価

カテゴリ:高齢者医療・介護

公開日:2026年5月12日

タイトル:AI-powered evaluation of dementia severity based on clinical data and visual scoring systems (MTA, ERICA, GCA) from MRI 雑誌名:Sci Rep. 2026 May 11; doi: 10.1038/s41598-026-51725-2. 概 要: この研究は、認知症、特にアルツハイマー病(AD)の重症度を評価するためのAIベースの診断フレームワークを提案しています。従来の神経心理学的評価や専門医による評価は、日常的な臨床実践では実施が難しい場合があります。本研究では、脳MRIとTMSEやMoCAなどの臨床データを用いて、視覚スコアを予測し、認知症の段階を分類するAIモデルを開発しました。AIによる視覚スコアを活用することで、専門家の評価に依存せず、一般の放射線科医や内科医を支援することが可能になります。 方 法: この研究では、MTA、ERICA、GCAのスコアリングに対してResNet18を、MRIに基づく認知症分類にはDenseNet121を使用しました。AIが予測した視覚スコアと臨床データを統合したモデルは、最大75.24%の精度を達成し、MRIのみのモデル(63.44%)を上回りました。SHAPを用いた特徴寄与分析では、臨床データ(MMSE、MoCA、年齢)がモデルの決定に大きく影響し、MRIスコアはAD分類においてより重要であることが示されました。 結 果: AIモデルは、臨床データとAI予測の視覚スコアを統合することで、認知症の分類精度を75.24%に向上させました。特に、MoCAの使用が分類精度を低下させる可能性が示唆されました。また、年齢層別の混同行列分析により、若年患者における誤分類の傾向が明らかになり、早期の病気感受性を示唆しています。 結 論: このAIシステムは、専門医の必要性を最小限に抑え、特に神経科医や放射線科医へのアクセスが限られている地域での早期認知症スクリーニングの有望なツールとなる可能性があります。今後の研究では、多様な集団におけるモデルの一般化と、実際の臨床環境での予測の堅牢性向上に焦点を当てる予定です。