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学習可能なプロトタイプガイドによる複数インスタンス学習を用いた多癌種全スライド病理画像における三次リンパ構造の検出

カテゴリ:診断支援・画像解析

公開日:2025年5月31日

タイトル:Learnable prototype-guided multiple instance learning for detecting tertiary lymphoid structures in multi-cancer whole-slide pathological images 雑誌名:Med Image Anal. 2025 Aug; 104: 103652. 概 要: 三次リンパ構造(TLS)は、慢性炎症や悪性腫瘍などの特定の病理的条件下で形成される異所性リンパ集積体であり、腫瘍微小環境(TME)内での存在は患者の予後や免疫療法への反応と強く相関しています。本研究では、全スライド病理画像(WSI)におけるTLSの検出を目的とした弱教師ありフレームワーク「学習可能なプロトタイプガイドによる複数インスタンス学習(LPGMIL)」を提案します。LPGMILは、リンパ球密度の高いインスタンスを選択し、学習可能なグローバルプロトタイプを構築することで、TLS関連の特徴に焦点を当てます。実験結果は、LPGMILが他の手法を上回り、76.6%の精度、74.1%の再現率、82.7%のF1スコア、83.5%のAUCを達成したことを示しています。 方 法: 本研究は、複数の癌種にわたるデータセットを使用した弱教師あり学習のフレームワークを採用しています。LPGMILは、リンパ球密度の高いインスタンスを選択し、学習可能なグローバルプロトタイプを構築し、訓練中にTLS関連の特徴に焦点を当てるように調整します。評価には、6つの癌種からなるTCGAデータセットを使用し、TLSの多様性と複雑性を反映しています。 結 果: LPGMILは、6つの癌種にわたるTCGAデータセットにおいて、76.6%の精度、74.1%の再現率、82.7%のF1スコア、83.5%のAUCを達成しました。これにより、TLSのスパース性と異質性に対処する効果が示されました。 結 論: LPGMILは、三次リンパ構造の検出において高い精度を示し、腫瘍微小環境の研究における複数インスタンス学習の有用性を示しました。この手法は、臨床的意思決定におけるTLSの重要性を考慮した新たなアプローチとなる可能性があります。