予測から行動へ:緊急治療室における臨床行動を変えるAIベースの臨床意思決定支援システム「Critical Interventions (CrIs)」の実世界での実装に関する後ろ向き観察研究
カテゴリ:医療現場の業務効率化
公開日:2025年11月4日
タイトル:From prediction to action: a retrospective observational study on the real-world implementation of Critical Interventions (CrIs), an AI-based clinical decision support system changing clinical behavior in the emergency department.
雑誌名:BMC Med Inform Decis Mak. 2025 Nov 03; 25(1): 405. doi: 10.1186/s12911-025-03234-x. Epub 2025 Nov 03.
概 要:
本研究は、緊急治療室における重症患者の最適なケアを実現するために、必要な介入を迅速に認識し実施することが重要であることを背景に、AIベースの「Critical Interventions (CrIs)」システムの効果を評価しました。このシステムは、トリアージデータに基づいて緊急手技の必要性を予測するもので、動脈ライン挿入、酸素療法、高流量鼻カニューレ(HFNC)、気管挿管、強心薬や血管収縮薬の使用を含みます。研究の目的は、CrIsシステムが臨床意思決定を向上させ、介入までの時間を短縮する効果を評価することです。
方 法:
韓国の三次医療機関で後ろ向き観察研究を実施し、CrIsの実施前後で介入までの時間と結果を比較しました。システムの予測性能は、受信者動作特性曲線(AUROC)を用いて分析されました。また、ユーザーからのフィードバックを調査を通じて収集しました。
結 果:
37,632件の緊急治療室訪問が含まれ、CrIsはさまざまな介入に対して優れた予測性能を示しました(動脈ライン:AUROC 0.879、酸素療法:0.906、HFNC:0.95、気管挿管:0.928、強心薬/血管収縮薬:0.88)。実施後、動脈ライン、酸素療法、HFNCの介入までの中央値の時間が有意に短縮されました。調査結果では、CrIsに対する全体的な満足度が高かったものの、インターフェース改善の提案もありました。
結 論:
CrIsシステムは高い予測精度を示し、重要な介入までの時間を大幅に短縮し、緊急治療室の運用効率を向上させました。今後は、ユーザーインターフェースやコミュニケーション機能の改善に焦点を当て、システムの有用性を最大化することが求められます。